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ステーション日誌

2017年06月21日

今日は世界ALSデイ

ALS(筋委縮性側索硬化症)というと、昨年話題になったチャリティイベント「アイス・バケツ・チャレンジ」を思い出す方が多いのではないでしょうか。 たくさんの有名人がバケツに入った氷水を頭からかぶる様子が見られました。2014年にアメリカ合衆国で始まったALS支援運動でバケツに入った氷水を頭からかけている様子を撮影し、それをフェイスブックなどの交流サイトで公開する、あるいは100ドルをALS支援団体に寄付する、あるいはその両方を行うかを選択する。そして次にやってもらいたい人物を3人指名し、指名された人物は24時間以内にいずれかの方法を選択するというもので自分が水をかぶるときに、次にチャレンジする人を指名するというシステムも注目を集め、世界中で拡散しました。 氷水を被る理由は諸説ありますが、本来は「ALSの現状に対して目を覚ます」という意味合いがあると言われています。

実際ALSはどのような病気かというと、人間が身体の筋肉を自分の意志で動かすときに、脳や末梢神経からの命令を実際に動く筋肉に伝える役割をする運動神経ニューロンが侵される神経変性疾患です。 脳で「この部分を動かしたい」という指令を出しても、筋肉に伝わらずにだんだん筋力が低下し、筋肉が痩せていってしまいます。話しにくさや嚥下障害、進行すると呼吸困難を生じます。しかし一方で、進行しても身体の感覚は問題なく、目を動かすことやものを見ること、話を聞くことなどはできますし、失禁もほとんど見られません。ALSの原因はまだはっきりしませんが、グルタミン酸過剰や神経の老化と関係があると言われています。またごく一部、家族性のものも見られ、そのうち2割には特定の酵素(SOD1)の遺伝子異常が見つかっています。

残念ながら、現在はALSを根本的に治す治療法はなく、進行をゆるやかにする薬や対症療法のみになります。平均寿命は3年から5年と言われ、今のところ症状は一旦悪化すると改善することはありません。 しかも、本人の意識が最後までクリアであることから、患者さんもご家族も非常につらい病気で、世界的に最も特効薬の開発が望まれる疾患の一つと言えます。

ALSは難病の中の難病です、簡単に治せるものではありません。訪問看護やリハビリで関わらせいただく中で絶望感を感じてしまうこともあります。でも、そういう病気があることを知ったり誰かに教えてあげたり、患者さんやご家族のことを慮ることはできます。6月21日には、ALSという病気について周りの人と話をして、イベントに参加してみることで、ALSに思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

 

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